N1· 短文 · 約 400字
本文
あの春、私の手のひらにはひとつのアプリが宿っていた。端末の画面越しに、見知らぬ誰かとの「接触」が記録されていくのを眺めながら、私はふと、これは一体何の行為なのかと自問したものだ。安全という名の傘を広げれば広げるほど、その傘の柄が誰かの自由を縛りかねない——そんな逆説が、じわりと胸に染みてきた。
当初は感染拡大を抑止すべく導入されたその仕組みも、運用が進むにつれ、利便性と引き換えに何かが静かに削られていく感覚を多くの人が覚えたはずだ。公益のためなら個人の領域への踏み込みもやむを得ないとする論理は、一見合理的なものの、その「やむを得ない」の閾値がどこに置かれるかは、決して自明ではない。
今となってみれば、あの混乱の中で問われていたのは感染症対策の是非ではなく、社会が「安心」と「自由」のどちらをより根底に据えるかという、古くて新しい問いだったのかもしれない。
問題 1
Q1.
筆者がこの文章で最も訴えようとしていることは何か。
①公共の安全を守るための介入がどこまで許容されるかという問いは、単純に答えが出るものではないということ。
②接触確認アプリは個人情報を過度に収集するため、直ちに廃止すべきだということ。
③技術の進歩によって安全とプライバシーの両立は十分に可能になったということ。
④感染症対策においては、個人の自由よりも公益が常に優先されるべきだということ。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 6월 11일 공개 · 제작 방식 →