今から三十年前、田中さとしは小さな町の図書館で毎日本を読んでいた。インターネットもなく、知りたいことがあれば本を探すしかなかった。しかし、本がない場合は先生に聞くか、遠くの大きな図書館まで行かなければならなかった。それは時間も費用もかかることだった。
さとしは理科が好きだったが、町には理科を深く教えてくれる先生がいなかった。「もっと勉強したいのに、どうすればいいんだろう」と、さとしはよく思っていた。結局、さとしは高校を卒業してから都市に出て、大学で理科を勉強することにした。しかし、お金が足りなくて、アルバイトをしながら勉強しなければならなかった。毎日とても大変だった。
それから二十年が過ぎた。さとしは今、自分の子どもたちが同じ苦労をしないようにと、オンライン学習について調べ始めた。インターネットで動画を使った授業が増えていたからだ。最初は「画面を見るだけで本当に勉強になるのかな」と半信半疑だった。しかし、試しに子どもたちに使わせてみると、結果は予想外だった。
長女のはなは、学校の授業でわからなかった算数の問題を、動画で何度も見直すことで解けるようになった。「動画だと、自分のペースで止めたり戻したりできるから、先生に聞きにくいことも一人で解決できる」とはなは言った。次男のけんじも、好きなサッカーと一緒に英語を学べる動画を見つけて、楽しそうに勉強していた。さとしはその様子を見て、昔の自分を思い出した。
「あの頃、こんな方法があったら、もっと早く夢に近づけたかもしれない」とさとしは思った。自分が苦労して都市まで出なければ学べなかったことが、今では家にいながら学べる時代になっていた。場所も時間も関係なく、知りたいことを学べるようになったのだ。
さとしは、この変化がとても大切だと感じた。昔は学ぶ機会が場所やお金によって決まっていた。しかし今は、インターネットがあれば誰でも同じ内容を学べる。これはとても大きな変化だとさとしは思った。そして、子どもたちにこう言った。「今の時代は、やる気さえあれば、どこにいても学ぶことができる。だから、毎日少しずつでも続けるようにしなさい」と。
さとしの言葉を聞いて、はなとけんじは静かにうなずいた。二人は、父親が昔どれほど苦労したかを初めてよく理解できた気がした。そして、オンライン学習を続けることを自分たちで決めた。