N3· 中文 · 約 700字
本文
病院で働いていると、言葉だけでは伝えられないことがたくさんあると感じる。
先日、入院中の高齢の患者さんが、ふと窓の外を見つめて黙り込んだ。何も言わなかったが、その横顔には、家に帰りたいという気持ちがにじみ出ていた。私は声をかけるのをやめて、ただそっとそばに座ることにした。しばらくして、その方は「ありがとう」と小さくつぶやいた。何も話していないのに、気持ちが伝わったような気がして、私は少し驚いた。
その経験から、私は「伝える」ということについて考えるようになった。私たちは日ごろ、言葉を使って気持ちを伝えようとする。しかし、表情や目の動き、体の向きなど、言葉以外のものが、相手の心に直接届くことがある。特に、病気で弱っているときは、長い説明より、静かにそばにいてくれる人の存在のほうが、よほど温かく感じられるらしい。
もちろん、言葉は大切だ。正しい情報を伝えるためには、はっきりと話すことが必要だ。ただ、言葉だけが「伝える」手段ではないと思うようになった。沈黙も、目を合わせることも、そっと手を置くことも、立派なコミュニケーションだ。
医療の場では、患者さんの言葉にならない気持ちをどう受け取るかが、とても重要だと感じる。相手の状況や気持ちをよく読んで、そのときに合った関わり方をするようにしている。言葉と言葉以外のものを上手に組み合わせることが、本当の意味で「伝わる」ことにつながるのではないだろうか。
問題 2
Q1.
筆者が「ありがとう」という言葉を聞いて驚いたのは、なぜですか。
①患者さんが突然大きな声で話したから。
②患者さんが予想より早く元気になったから。
③自分の説明がうまく伝わったと思ったから。
④何も言葉を交わしていないのに、気持ちが通じたと感じたから。
Q2.
この文章で、筆者が一番伝えたいことは何ですか。
①病院では言葉による説明をできるだけ短くしたほうがよい。
②医療の場では、沈黙は避けるようにしなければならない。
③言葉以外の表現も、気持ちを伝える大切な手段になる。
④患者さんとのコミュニケーションには言葉だけを使うべきだ。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 8월 24일 공개 · 제작 방식 →