N1· 中文 · 約 600字
本文
テロリズムを根絶するには、軍事力による徹底的な掃討こそが最も有効だという意見がある。だが、この見解は問題の本質を見誤っていると言わざるを得ない。爆撃や特殊作戦によって組織の指導者を排除したところで、過激思想の温床となる社会的・経済的不満が温存されている限り、新たな担い手が次々と生まれてくる構造は変わらない。暴力には暴力で応じるという発想が、かえって憎悪の連鎖を深化させてきたことは、過去数十年の国際情勢が如実に示している。
問題の核心は、テロが単なる凶悪犯罪ではなく、政治的・宗教的・経済的疎外感が複合的に絡み合った末に噴出する「絶望の表出」だという点にある。したがって、真に実効性のある対策とは、武力行使を自制しつつ、貧困の解消、教育機会の均等化、統治の透明化といった根本的な条件整備を国際的連携のもとで推し進めることに他ならない。
一方で、安全保障の強化と市民的自由の保全は、往々にして相互に緊張関係を孕む。監視体制の拡充や入国審査の厳格化は、テロの未然防止に資するものの、無辜の市民のプライバシーや移動の自由を侵食しかねない。この矛盾を直視せずに「安全のためなら自由の制約もやむを得ない」と安易に結論づけることは、民主主義の根幹を掘り崩す危険をはらんでいる。世界秩序の安定は、力による支配ではなく、多様な価値観を尊重し合う対話の積み重ねによってのみ、持続的に実現されるのである。
問題 2
Q1.
筆者は、テロリズムに対する軍事的対応についてどのように捉えているか。
①軍事的掃討は一時的な効果をもたらすものの、社会的不満の解消なしには問題の根絶には至らない。
②武力行使は憎悪の連鎖を招くのみであり、いかなる状況においても一切容認されるべきではない。
③軍事力による指導者の排除は、過激思想の拡散を根本から断ち切る有効な手段である。
④軍事力の行使は国際的連携のもとで行われる場合に限り、テロ対策として正当化される。
Q2.
本文において、安全保障の強化と市民的自由の保全の関係はどのように述べられているか。
①安全保障の強化は市民の自由を脅かす側面を持ち、その矛盾を軽視することは民主主義を危うくする。
②両者は補完的な関係にあり、安全保障を強化すれば市民的自由も自ずと保全される。
③安全のための自由の制約は、民主主義の観点から積極的に推進されるべき政策である。
④監視体制の拡充は民主主義の根幹を支えるものであり、自由の制約は最小限にとどまる。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 7월 17일 공개 · 제작 방식 →