N1· 中文 · 約 650字
本文
近年、国際社会における競争が激化するにつれ、各国は次世代を担う人材の育成に躍起になっている。日本においても、官民を挙げて若者の海外派遣を推進する動きが加速してきた。しかしながら、こうした取り組みの実態を子細に検討すると、表層的な施策に終始しているとの批判を免れないのではないだろうか。
留学制度の拡充や語学研修の義務化が矢継ぎ早に打ち出されたものの、その多くは英語運用能力の向上を至上命題として掲げるあまり、真に重要な異文化への感受性や多様な価値観を受容する姿勢の涵養を等閑視してきた。その結果、海外経験を積んでもなお、自文化中心的な思考の枠組みから脱却できないまま帰国する若者が後を絶たないという、皮肉な状況が常態化しつつある。
問題の根底には、グローバル人材を即戦力の「商品」として捉える功利的な発想が横たわっている。企業や教育機関が成果指標として数値化しやすい語学試験のスコアや留学期間のみを重視するようになった結果、異文化との摩擦や葛藤を通じて自己を相対化するという、本来不可欠なプロセスが軽視されざるを得なくなったのである。
真の意味で国際社会に貢献し得る人材を育むためには、制度設計そのものを根本から見直すことが急務である。数値目標の達成に汲々とするのではなく、異なる文脈の中で自らの立場を問い直す批判的思考力と、他者の痛みに寄り添う共感的想像力を同時に培う教育的環境の整備こそが、社会全体として担うべき責務であると言わざるを得ない。
問題 1
Q1.
この文章の論旨の展開として、最も適切なものはどれか。
①グローバル人材育成の取り組みが語学力偏重に陥っている現状を批判し、その背景にある功利的な発想を原因として指摘したうえで、批判的思考力と共感的想像力を育む教育環境の整備を解決策として提示している。
②海外派遣制度を推進する官民の連携が不十分であることを主な問題として取り上げ、行政主導による制度の一元化と予算の大幅な拡充を訴えている。
③日本の留学制度の拡充が功を奏し、国際的に通用する人材が着実に増加しているという事実を示したうえで、さらなる語学教育の強化を提唱している。
④異文化理解の重要性は認めつつも、まず英語運用能力を確立することが国際社会での活躍の前提条件であり、語学教育の充実を優先すべきだと主張している。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 10월 10일 공개 · 제작 방식 →