私は50代の親として、子どもたちが育ってきた時代の変化をずっと見てきました。テレビが家に入ってきたとき、次にインターネットが広まったとき、そしてスマートフォンが当たり前になったとき、毎回「便利になった」と感じました。しかし同時に、「何かが変わってしまった」とも感じていました。
今、6Gという次の世代の通信技術が話題になっています。6Gとは、現在の5Gよりもさらに速く、より多くの機器がつながることができる通信の仕組みです。家の中のすべての物がインターネットでつながり、どこにいても高速で情報をやり取りできるようになると言われています。
これはとても便利に聞こえます。しかし、過去の技術の変化を振り返ると、便利さには必ず別の問題がついてきました。インターネットが広まったとき、子どもたちは長い時間、画面を見るようになりました。その結果、目が疲れやすくなり、夜なかなか眠れない子どもが増えたと聞きました。スマートフォンが普及したときは、食事中も画面を見る家族が増え、家族の会話が少なくなりました。
6Gの時代になると、情報の量がさらに多くなると専門家は言っています。情報が多すぎると、人は何を信じればいいか分からなくなります。また、常に通知が来るため、ゆっくり休む時間が取れなくなるという心配もあります。これを「デジタルによる疲れ」と呼ぶ人もいます。
さらに、6Gでは個人の行動や習慣が細かく記録されるようになるそうです。どこに行ったか、何を買ったか、誰と会ったかなど、すべてのデータが集まります。このようなデータが悪用されると、個人の生活が守られなくなる恐れがあります。
私が一番心配しているのは、子どもたちが自分で考える力を失うかもしれないということです。技術が何でも答えを出してくれるようになると、自分で判断することが少なくなります。過去を見ると、新しい技術が出るたびに、人間は便利さと引き換えに何かを手放してきました。
6Gは確かに私たちの生活を大きく変えるでしょう。しかし、技術に全部任せるのではなく、自分で考え、自分で決める力を育てることが大切だと思います。親として、子どもたちにそのことを伝えていくことが私の役目だと感じています。便利な道具を正しく使う知恵を、次の世代に残したいと思っています。