息子が中学二年のとき、所属していたサッカーチームのレギュラーから外された。毎日練習を重ねてきた息子にとって、それは大きな衝撃だったに違いない。帰宅した息子の顔は青ざめていて、夕食も満足に食べられなかった。私はそのとき、すぐに息子を慰めるべきか、それとも黙って見守るべきか、迷った。最初は、息子が傷つかないよう「気にしなくていい」と声をかけた。しかし息子の表情は晴れなかった。そこで方針を変え、「なぜ外されたと思う?」と一緒に考えることにした。息子は最初、戸惑っていたが、少しずつ自分の弱点を口にし始めた。足の速さは十分だが、判断力と連携プレーが足りないと自分で気づいたのだ。私は驚いた。失敗を前にして、子どもはこれほど深く自分を見つめることができるのかと感じた。その後、息子は毎週末に友人と判断力を鍛える練習を続けた。半年後、息子は再びレギュラーに選ばれた。あのとき私がただ慰めるだけに終わっていたら、息子はここまで成長できなかったかもしれない。失敗を一緒に分析することで、子どもは自分の力で壁を乗り越える方法を学ぶのだと、私は確信した。
娘が高校受験に失敗したとき、私は親として何をすべきか真剣に考えた。第一志望の高校に落ちた娘は、自分を責め続け、二週間ほど部屋に閉じこもっていた。私の最初の対応は、「すぐに次の目標を立てよう」と前向きな言葉をかけることだった。しかし娘はかえって追い詰められた様子を見せた。焦りすぎたわけだと、後で気づいた。そこで私は方針を変え、まず娘の気持ちをそのまま受け止めることにした。「悔しかったね」「頑張ったのに辛かったね」と、評価や助言を加えずに気持ちだけを受け取った。すると娘は少しずつ話し始め、三週間後には自分から「次はこうしたい」と言い出した。この経験から、私は二つのアプローチの違いをはっきりと理解した。すぐに解決策を示す方法は、子どもが十分に感情を整理できていない段階では逆効果になりやすい。一方、まず感情を受け止めてから一緒に考える方法は、時間はかかるが、子ども自身が立ち直る力を育てる点で優れている。失敗の経験は、対応の仕方によって子どもの成長に大きな差をもたらすと、私は親として学んだ。