N1· 短文 · 約 450字
本文
今、私はこのアパートの窓から、かつて自分が路上で夜を明かした公園を眺めている。あの冬、親の失業と家賃滞納が重なり、一家は住む場所を失わざるを得なかった。当時の私は中学生で、事態の深刻さを十分に把握しえなかったものの、凍てつく夜風と他者の視線が皮膚に突き刺さる感覚は、今も鮮明に蘇る。
それから十年近くが経ち、大学で社会政策を学ぶうちに、あの体験が単なる個人の不運ではなかったと気づかされた。日本では公営住宅の供給戸数が長期にわたって縮小傾向にあり、住居確保のための公的支援は医療や年金に比べて著しく立ち遅れているという現実がある。住まいは生存の基盤であるにもかかわらず、それが「自己責任」の枠組みで語られ続けてきたことに、私は今も強い違和感を覚えずにはいられない。
居住の安定なくして、教育も就労も健康も成り立たない。あの公園で震えていた子どもが、今こうして問題を言語化できているのは、支援者たちの尽力があったからにほかならない。住まいは権利だと、私は確信している。
問題 1
Q1.
この手記において、筆者の認識はどのように変化しているか。最も適切なものを選びなさい。
①幼少期の路上生活を個人的な不幸として捉えていたが、大学での学びを通じて、それが制度的・構造的問題と深く結びついていると認識するに至った。
②かつては公営住宅制度に強い期待を抱いていたが、その供給縮小の実態を知るにつれ、制度への信頼を完全に失い、自助努力の重要性を確信するようになった。
③住居不安定の経験を経て福祉制度の充実を求めていたが、現在は財政的制約を理由にその実現を非現実的だと諦観するようになった。
④支援者への感謝を軸に手記を綴っているものの、住居問題は結局のところ個人の経済管理能力に起因するという立場は一貫して変わっていない。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 5월 22일 공개 · 제작 방식 →