デジタル情報環境における真偽判定に関する指針(案内文)
本指針は、急速に変容するデジタル情報環境において、個人および組織が虚偽情報の拡散に加担することなく、適切な情報行動をとるための基本的な枠組みを示すものである。
近年、SNSをはじめとする各種プラットフォームを通じて、事実に反する情報が瞬時に広域へと伝播する事態が常態化しつつある。こうした状況を看過するならば、社会的合意の形成が著しく阻害されるのみならず、個人の尊厳を傷つける誹謗中傷や、公衆衛生上の危機を招く誤った医療情報の流布といった深刻な弊害を生じさせるに至る。ゆえに本指針は、情報の受信者たる市民一人ひとりが、主体的かつ批判的な姿勢をもって情報に接することを促すべく策定されたものである。
本指針が対象とする「要検証情報」とは、発信元が不明確であるか、複数の信頼性ある機関による裏付けを欠くか、あるいは感情的な反応を殊更に煽るよう設計されていると合理的に判断される情報を指す。これに対し、政府機関・学術機関・主要報道機関等が独自取材または公式資料に基づき発信した情報は「一次的信頼情報」として区別され、本指針における検証義務の適用が緩和される。ただし、かかる機関に由来する情報であっても、二次加工または恣意的な文脈操作が施された形で流通している場合には、改めて検証の対象とみなすものとする。
本指針の適用に際し、情報の受信者は少なくとも以下の段階的手続きを履践することが求められる。第一に、情報の発信源を遡及し、原典資料との照合を試みること。第二に、当該情報を補強または反証する複数の独立した証拠を探索すること。第三に、専門的な真偽確認機関が公表する検証結果を参照すること。これら三段階を経てもなお真偽の判定が困難な情報については、拡散を自粛するとともに、当該プラットフォームの通報機能を活用することが強く推奨される。
要検証情報の取り扱いに関する通知
関係各位におかれては、平素より本機関の情報倫理規程の遵守にご尽力いただき、深謝申し上げる次第である。このたび、昨今の情報環境の急激な変化に鑑み、本機関が定める「情報真偽判定に関する内部規程」を改訂するに至ったため、以下の通り通知する。
改訂の背景として、SNS上における誤情報の拡散速度が従来の想定を大幅に超過している実態が挙げられる。特に、一見して真正性を帯びるよう精巧に作成された虚偽の画像・映像・統計データが、感情的共鳴を喚起しやすい形式で流布されるケースが増加しており、従前の規程では対応が困難な局面が生じていた。かかる事態を受け、本機関は検証義務の対象範囲を拡張するとともに、違反に対する措置の明確化を図ることとした。
改訂後の規程において特筆すべき変更点は次の通りである。まず、「要検証情報」の定義が拡張され、統計の文脈を意図的に省略した引用、および出所不明の証言に基づく断定的表現が新たに含まれることとなった。次に、検証を経ることなく要検証情報を組織の公式チャンネルを通じて発信した場合、当該担当者は情報倫理委員会への報告義務を負うものとする。なお、緊急性の高い公益的情報については、事後検証を条件として即時発信を認める例外規定が設けられているものの、この例外は濫用を防ぐため厳格に運用されるものとする。
本規程に違反した場合の措置については、違反の態様および重大性に応じ、指導・勧告・業務停止の順で段階的に適用される。悪意ある虚偽情報の意図的な拡散と認定された場合には、最も厳しい措置が講じられることを付言しておく。
情報検証支援制度 利用申請書(兼誓約書)
本申請書は、情報検証支援制度(以下「本制度」という)の利用を希望する者が、所定の手続きに従い提出するものである。申請者は以下の各条項を十分に理解し、誠実に遵守することを誓約した上で署名するものとする。
第一条(申請資格) 本制度の利用申請が認められるのは、情報の発信または媒介を業とする個人もしくは法人であって、かつ過去二年以内に重大な情報倫理違反の記録を有しない者に限る。なお、個人の研究目的または教育目的による申請については、この限りでなく、別途定める簡易審査の対象とする。
第二条(検証依頼の対象) 本制度において検証依頼の対象となる情報は、公衆に広く伝達される可能性を有するものに限定される。個人的な通信内容、および特定の閉鎖的集団内にのみ流通する情報については、原則として本制度の適用外とする。ただし、当該情報が公益に関わる重大性を帯びると機関が判断した場合には、例外的に受理されることがある。
第三条(申請者の義務) 申請者は、検証依頼に際し、入手経路・発信日時・加工の有無を含む情報の来歴を可能な限り詳細に開示しなければならない。来歴の虚偽申告または意図的な省略が判明した場合、申請は無効とされ、以後の利用が制限されることがある。
第四条(検証結果の取り扱い) 本機関が提示する検証結果は、あくまで現時点における利用可能な証拠に基づく判断であり、絶対的な真偽の確定を意味するものではない。申請者は、検証結果を参照しつつも、最終的な発信判断については自らの責任において行うものとし、検証結果のみを根拠として免責を主張することはできない。