田中さんは、大学で文化と社会の関係を研究している30代の研究者です。ある日、彼女はチームの仲間と一緒に、絵本を使って社会への問題提起をするプロジェクトを始めることにしました。
最初、田中さんたちは「子どもたちに環境問題を伝える絵本を作ろう」というテーマで話し合いました。しかし、どんな内容にすれば子どもだけでなく大人にも伝わるかが、なかなか決まりませんでした。チームで何度も意見を出し合い、最終的に「森の木が一本ずつ消えていく村の話」を書くことにしました。
絵本の主人公は、村に住む少女のミコです。ミコは毎日、村の森で遊んでいましたが、ある朝、大きな木が一本なくなっているのに気づきました。次の日も、また次の日も木が減っていきます。大人たちは「工場を建てるために必要なことだ」と言いましたが、ミコは「このままでは森がなくなってしまう」と心配しました。
ミコは絵を描いて、村の人たちに森の変化を見せるようにしました。最初は誰も気にしませんでしたが、絵を見た子どもたちが親に話すようになり、だんだん村全体が森のことを考え始めました。田中さんのチームは、このミコの行動を通じて「一人の小さな声でも、表現することで周りを動かせる」というメッセージを伝えようとしました。
この絵本が完成したとき、田中さんたちは出版社にもちこみましたが、「子どもには難しすぎる」と断られてしまいました。チームはあきらめずに、地域の図書館や学校に直接配布することにしました。
すると、読んだ先生たちから「授業で使いたい」という反応が届き始めました。さらに、保護者からも「子どもと一緒に考えるきっかけになった」という声が集まりました。田中さんは「作品は、正しい場所に届けば必ず誰かの心を動かせる」と感じました。チームは今後も、身近なテーマを使った作品を作り続けることにしています。