■ AI生成コンテンツに関する著作権取扱指針(案内文)
文化庁著作権課は、人工知能技術の急速な普及に伴い、AI生成コンテンツの著作権上の取扱いについて、以下の通り指針を策定した。本指針は、クリエイター・事業者・研究機関等を対象とし、AI生成物の公開・販売・利用に際して遵守すべき事項を明確化することを目的とする。
調査によれば、国内のデジタルコンテンツ市場において、2023年度にAIを活用して制作された画像・音楽・文章等の割合は全体の約38%に達しており、前年比で約2.3倍の急増を記録した。とはいえ、こうした数値の増大が直ちに人間の創造的関与の縮小を意味するわけではなく、AI生成物の多くは依然として人間の指示・選択・編集といった創造的プロセスを経ていることが確認されている。
本指針において、著作物性が認められ得るAI生成コンテンツとは、人間が創作的意図を持って具体的な指示(プロンプト)を設計し、かつ生成結果に対して実質的な選択・修正を加えたものに限定される。単なる自動生成物については、現行著作権法上の保護対象外とみなされる場合が大半である旨、利用者は十分に留意しなければならない。
■ AI生成コンテンツ審査委員会よりの通知文
当委員会が実施した「デジタル創作物の作者性に関する実態調査(2024年版)」の結果を踏まえ、登録クリエイター各位に対し、以下の事項を通知する。
本調査では、国内外の創作者計1,847名を対象にアンケート及びヒアリングを実施した。その結果、AI生成ツールを業務上使用していると回答した者は全体の61.4%に上り、そのうち約74%が「AIはあくまで補助手段であり、最終的な作品の方向性は自身が決定している」と述べている。しかしながら、残余の約26%については、AIの出力をほぼ無修正で公開・販売しているとの回答が得られており、作者性の所在に関して実務上の曖昧さが拭い去れない状況にある。
かかる実態を受け、当委員会は以下の措置を講じることを決定した。第一に、AI生成物を含む作品を公募展・コンペティション等に出品する際は、AI関与の有無及びその程度を申告することを義務付ける。第二に、虚偽申告が判明した場合には、入賞の取消し及び当委員会主催の全事業への参加資格停止(最長3年)を余儀なくされる。なお、教育・研究目的での利用については、別途定める例外規定が適用される場合がある。
■ AI関与度申告書(申請書)
本申告書は、当委員会主催の公募展に作品を出品するにあたり、制作過程におけるAIツールの関与度を明示するために提出が求められるものである。申告内容は審査の公正性確保を主眼として活用され、著作権帰属の判断資料としても参照される。
【申告区分】
区分A:AIを一切使用していない(人間による完全な手作業)
区分B:AIを参考・補助的に使用したが、創作的判断の主体は人間である
区分C:AIが生成した素材を人間が実質的に編集・再構成した
区分D:AI生成物を主体とし、人間の関与は指示入力及び最終選択に留まる
統計的観点から見ると、過去3回の公募展において区分Bの申告が最多であり全体の47%を占める一方、区分Dは9%にとどまっている。だが、審査過程での精査により区分の訂正を要した事例が区分D申告者の実に33%に及んでいることは、申告基準の解釈に個人差が生じやすいことを如実に示している。
申告に際しては、使用したAIツールの名称・バージョン・利用目的を具体的に記載するとともに、人間による創作的関与の内容を200字以上で記述することが必須要件とされる。記載が不十分と判断された場合、審査対象外となるのもやむを得ない。