デジタル通貨活用に関する事業者向け指針(案内文)
本指針は、中央銀行が発行するデジタル通貨(以下「CBDC」という)及び民間が発行する暗号資産を事業活動において活用するにあたり、事業者が遵守すべき基本的枠組みを明示するものである。グローバル市場における決済手段の多様化が加速するなか、既存の銀行口座を介した送金体制のみに依存することは、競争優位の喪失を余儀なくされるリスクをはらんでいる。
CBDCは国家の信用を裏付けとする法定通貨のデジタル形態であり、民間の暗号資産とは本質的に異なる法的地位を有する。事業者は両者を峻別したうえで、各々に適用される規制枠組みを把握しなければならない。なお、本指針においてCBDCとは、中央銀行が直接発行・管理するリテール型のデジタル通貨を指し、ステーブルコインその他の民間発行型電子通貨は原則として対象外とする。
デジタル決済移行に係る事業者への通知文
昨今、キャッシュレス化の進展と相まって、決済インフラの抜本的変革が現実のものとなりつつある。当局は、国内外における決済イノベーションの動向を踏まえ、既存金融システムとの整合性を確保しつつ、新たなデジタル通貨の導入を段階的に推進する方針を採択した。
事業者は、以下の各号に掲げる義務を負うものとする。第一に、顧客に対しデジタル通貨による決済手段を提供する場合は、利用規約において当該通貨の法的性質及びリスクを明示すること。第二に、資金洗浄及びテロ資金供与の防止に係る法令を遵守し、必要な本人確認手続を厳格に実施すること。第三に、システム障害その他の不測の事態に備え、代替決済手段を確保しておくこと。
これらの義務を怠った場合、事業者は行政処分の対象となり得るのみならず、顧客基盤の毀損という経営上の致命的損失を被るおそれがある点を、強く認識されたい。
デジタル通貨取扱事業者登録申請書(記載要領)
本申請書は、デジタル通貨を決済手段として取り扱う事業者が所管当局への登録を求める際に使用するものである。申請者は、下記の各項目について漏れなく記載したうえで、必要書類とともに提出すること。
【申請区分】 CBDCのみ取扱い/暗号資産のみ取扱い/双方取扱い(該当するものに丸を付すこと)
【例外条件の適用申請】 特定の業種または取引規模に該当する事業者は、監督当局の裁量により登録手続の一部省略が認められる場合がある。ただし、省略が認められるのは、年間取扱高が所定の閾値を下回る零細事業者、または試験的導入フェーズにある新興企業に限られる。かかる例外の適用を希望する者は、その旨を明記し、該当要件を満たすことを疎明する書類を添付しなければならない。
申請内容に虚偽が判明した場合は、登録の取消しに加え、法的責任を問われることがある。破壊的イノベーションを標榜する企業であればこそ、法令遵守の徹底こそが持続的成長の礎となることを銘記すべきである。