N3· 中文 · 約 650字
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今から思えば、あの夜が転機だったのかもしれない。
六十を過ぎた私は、長い間、食事を「楽しむもの」だと思っていた。旬の野菜を選び、時間をかけて料理し、家族と食卓を囲む。それが当たり前の日々だった。しかし、去年の冬、仕事が重なり、毎晩遅くまで原稿を書き続けるようになった。台所に立つ時間が消え、気がつけばコンビニの袋を手に、一人で机の前に座っていた。
最初は「しかたない」と思っていた。コンビニのおにぎりや温かいスープは、確かに便利だった。深夜でも買えるし、値段も手ごろだ。疲れた体には、それで十分に思えた。
ところが、一か月ほど経ったころ、不思議な感覚に気がついた。食べているのに、何かが足りない。味は悪くない。でも、食事を終えても心が満たされない。私はその理由をしばらく考えた。
やがて、ある夜、冷たい弁当を食べながら、ふと母の台所を思い出した。野菜を切る音、鍋から立ち上がる湯気、食卓に集まる家族の声。食事とは、ただ栄養をとることではなかった。それは時間をかけて、人とつながる行為だったのだ。
その夜から、私はできるかぎり自分で料理をするようにした。忙しい日でも、野菜を一品だけ炒めるようにした。コンビニを完全にやめることはできないが、食事の意味を忘れないようにしようと決めた。便利さと豊かさは、必ずしも同じではないと、私は今、そう思っている。
問題 2
Q1.
筆者がコンビニで食事をするようになったのは、なぜですか。
①料理が好きではなくなったから
②家族が食事を作ってくれなくなったから
③コンビニの食事がおいしいと気づいたから
④仕事が忙しくなって、料理をする時間がなくなったから
Q2.
筆者がコンビニの食事をやめようと思ったきっかけは何ですか。
①友人に料理をするようにすすめられたから
②コンビニの食事が体に悪いと聞いたから
③食事の値段が高くなってきたから
④食べても心が満たされず、食事の本当の意味に気がついたから
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 10월 25일 공개 · 제작 방식 →