N2· 中文 · 約 550字
本文
「テロというのはね、まるで雑草みたいなものですよ」と、私は古くからの友人である田中さんに言った。縁側でお茶を飲みながら、テレビのニュースを眺めていたときのことだ。
田中さんは眉をひそめた。「雑草、ですか」
「ええ。根を断たずに葉っぱだけ刈っても、また生えてくるでしょう。軍隊を送って力で押さえつけても、しばらくすると別の場所から芽が出てくる。世界中の国が一緒になって取り組んでいるわけですが、なかなかうまくいかない」
田中さんはしばらく黙っていた。彼は元外交官で、実際に危険な地域に赴任した経験を持つ。私とは違い、この話題を軽く語れる立場ではないに違いない。
「根っこ、というのは何だと思いますか」と彼は静かに聞いた。
私は少し考えてから答えた。「貧しさとか、社会から見捨てられたという気持ちとか、ではないでしょうか。怒りや絶望が積み重なると、人は極端な考えに引き寄せられてしまう。そこを放っておいて、安全だけを守ろうとすると、かえって自由が狭まる一方ですよ」
田中さんはゆっくりとうなずいたが、その顔には複雑な表情が浮かんでいた。「あなたの言うことは正しい。でも、現場で判断を迫られるときは、そんなに悠長に考えられないんですよ」
その一言で、私は急に恥ずかしくなった。縁側から見える庭の雑草が、なんだか急に抜きにくく見えてきた。
問題 2
Q1.
田中さんが「根っこというのは何だと思いますか」と静かに聞いたとき、田中さんはどのような気持ちだったと考えられますか。
①筆者の意見に全く関心がなく、話を早く終わらせたかった。
②テロ問題に詳しくないため、筆者から情報を得ようとしていた。
③筆者の考えが間違っていると感じ、反論しようとしていた。
④自分の経験をふまえて、問題の深刻さを筆者に確認させたかった。
Q2.
文末で筆者が「急に恥ずかしくなった」のはなぜですか。
①安全と自由のどちらが大切かを言い間違えたから。
②雑草のたとえが田中さんに全く伝わらなかったから。
③田中さんが元外交官であることを初めて知ったから。
④実際の現場を知らない立場から気軽に語っていたと気づいたから。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 5월 12일 공개 · 제작 방식 →