N2· 中文 · 約 650字
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「努力した人が報われる社会こそが公平だ」という考え方は、日本社会に深く根付いている。この考えに基づけば、国が生活を手厚く保障することは、人々の働く意欲を失わせるという結論になりやすい。支援を受けることを恥と感じる風潮も、こうした価値観と無関係ではないだろう。
しかし、この主張には見落としがある。人が努力できるかどうかは、本人の意志だけで決まるわけではない。生まれた家庭の経済状況や、病気・障害の有無など、本人には選べない条件が大きく影響するからだ。こうした出発点の違いを無視したまま「自分の力で立て」と求めるのは、公平とは言いがたい。
近年、各国で注目されているのが、すべての人に一定の現金を定期的に支給するという制度の考え方だ。批判者はこの制度が人々の労働意欲を低下させると主張する。ところが、フィンランドをはじめ複数の国で行われた実験では、支給を受けた人々の就労意欲や精神的な健康状態が改善したという結果が報告されている。生活への不安が取り除かれることで、人はむしろ積極的に社会に関わろうとする傾向があるようだ。
つまり、生活保障の充実は自立を妨げるどころか、真の意味での自律を支える土台になりうる。安心できる環境があってこそ、人は自分の可能性に挑戦できるわけだ。社会全体で支え合うことと、個人が自分らしく生きることは、対立するものではなく、むしろ互いを支え合う関係にある。支援を「依存」と見なす考え方を見直す時期に来ているのではないだろうか。
問題 2
Q1.
筆者が最も言いたいことはどれか。
①フィンランドの実験の結果は特殊であり、日本には当てはまらない可能性がある。
②生活を保障する仕組みを整えることは、個人が自律的に生きることの妨げにはならない。
③努力する人を正しく評価するために、生活保障を縮小すべきだ。
④支援を受けることを恥と感じる人が多いため、制度の普及には時間がかかる。
Q2.
筆者は「努力した人が報われる社会こそが公平だ」という考え方について、どのような問題点を指摘しているか。
①この考え方は、努力の結果よりも過程を重視しすぎているという点。
②この考え方は、精神的な健康よりも経済的な成功を優先させるという点。
③この考え方は、本人が選べない生まれつきの条件の違いを考慮していないという点。
④この考え方を広めると、社会全体の競争が激しくなりすぎるという点。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 6월 10일 공개 · 제작 방식 →