N3· 中文 · 約 600字
本文
去年の秋、母がひとりで暮らす実家に帰ったとき、台所に見慣れない小さな機械が置いてあった。白くて丸い形のそれは、スマートスピーカーだった。「お父さんが買ってくれたのよ」と母は言った。父は三年前に亡くなっているので、最初は意味がわからなかった。よく聞くと、兄が父の形見のお金を使って買ってくれたらしい。
その夜、母は「電気、つけて」と声をかけた。すると部屋の電気がすっとついた。「すごいでしょ」と母は子どものように笑った。私は少し複雑な気持ちになった。便利だとは思う。でも、母が機械に話しかけている姿を見て、なんだか寂しい感じがした。
ところが、次の朝、気持ちが変わった。母が「今日の天気は?」と聞くと、機械がやさしい声で答えた。母は「ありがとう」と言った。機械にお礼を言う母を見て、思わず笑ってしまった。そして、母がこの機械と毎日話しながら暮らしていることに、少し安心した。
兄に聞いたところ、この機械は母が決まった時間に声をかけないと、兄のスマートフォンにお知らせが届くようになっているそうだ。つまり、母が元気かどうかを、遠くにいる兄が確認できる仕組みになっている。
私は最初、機械が家族の代わりをするのは冷たいことだと思っていた。しかし今は、この小さな機械が母と家族をつないでいると感じている。便利さだけでなく、安心という温かさも、この機械は持っているのかもしれない。
問題 2
Q1.
筆者は最初、母がスマートスピーカーを使っている姿を見てどう感じましたか。
①機械が怖くて、使わないほうがいいと思った。
②便利でとてもうらやましいと思った。
③便利だと思いながらも、寂しい気持ちになった。
④兄がお金を使ったことに怒りを感じた。
Q2.
この文章で、筆者の気持ちが変わったのはなぜですか。
①機械の声がとても美しくて感動したから。
②母が機械を使って料理が上手になったから。
③スマートスピーカーの値段がとても安かったと聞いたから。
④兄がスマートフォンで母を見守れる仕組みを知り、安心できると気づいたから。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 10월 6일 공개 · 제작 방식 →