現在、日本の福祉制度は大きな転換点を迎えつつある。厚生労働省の調査によると、生活保護を受けている世帯数は2023年時点で約164万世帯に達しており、10年前と比べて約20万世帯増加している。さらに、ひとり親家庭の貧困率は約48パーセントと依然として高く、障害を持つ人々の就労支援も十分とは言えない状況だ。こうしたデータを前にして、私は一人の大学生として、このままでいいのかと強い疑問を感じずにはいられない。
調査では、支援を必要としているにもかかわらず、実際に福祉の窓口を利用しない人が多いことも明らかになった。その主な理由として、「手続きが複雑すぎる」と答えた人が全体の約43パーセント、「周囲の目が気になる」と答えた人が約35パーセントに上った。つまり、給付の制度そのものが整っていても、利用者が窓口にたどり着けないという問題が根強く残っているわけだ。制度があっても使われなければ、意味がないと言わざるを得ない。
こうした現状を踏まえると、今後の福祉制度はどのように変わっていくべきだろうか。専門家の間では、三つの方向性が議論されている。一つ目は、給付額の引き上げや対象者の拡大など、制度の内容をより充実させることだ。二つ目は、申請の手続きを簡略化したり、オンラインで手続きができるようにしたりするなど、利用しやすい環境を整えることだ。三つ目は、支援を受けることへの社会的な偏見をなくし、誰もが気兼ねなく助けを求められる雰囲気をつくることだ。
ある研究グループが行ったアンケートでは、20代の若者のうち約67パーセントが「将来、自分も生活に困る可能性がある」と感じていることがわかった。これは決して他人事ではなく、就職活動を控えた私たちの世代にとって、福祉制度の信頼性は非常に切実な問題だ。それにもかかわらず、同じアンケートで「福祉制度を積極的に利用したい」と答えた若者は約21パーセントにとどまっており、制度への不信感や偏見が依然として強いことがうかがえる。
今後10年を見据えたとき、専門家の多くは、給付の充実だけではなく、制度を利用しやすくする仕組みの整備と、社会全体の意識改革を同時に進めることが不可欠だと指摘している。どれか一つだけを優先しても、根本的な解決にはつながらないというわけだ。私自身も、福祉は一部の人のためだけのものではなく、誰もがいつか必要とするかもしれない社会の仕組みだと、今回の調査結果を通じて改めて実感した。現状を直視し、変化を求める声を上げ続けることが、私たちにできる第一歩ではないだろうか。