デジタル通貨利用に関する基本指針(案内文)
本指針は、中央銀行が発行するデジタル通貨(以下「CBDC」という)および民間事業者が提供する電子決済サービスの利用に際して、利用者が遵守すべき事項を明示し、もって健全な金融秩序の維持に資することを目的とする。
CBDCは、法定通貨と同等の法的地位を有するものの、その流通・管理の仕組みは従来の紙幣・硬貨とは本質的に異なる。すなわち、すべての取引履歴が分散型台帳あるいは中央集権型のデータベースに記録されるため、取引の透明性が飛躍的に向上する一方、利用者のプライバシー保護に関しては格段の注意を要する。暗号資産との比較において、CBDCは国家の信用を裏付けとする点で本質的に異なるが、技術的基盤を共有する側面も否定できず、両者を一律に論じることは適切ではない。
デジタル通貨取扱規定に関する通知(通知文)
本通知は、令和七年度より施行されるデジタル通貨取扱規定の主要条項および例外事項について、関係機関・利用者に対し周知徹底を図るために発出するものである。
第一条(適用範囲)本規定は、国内に拠点を置くすべての金融機関および決済サービス提供者に適用される。ただし、試験的運用段階にある実証実験参加機関については、監督当局の承認を条件として、一部条項の適用を猶予する措置を講じることができる。
第二条(安全管理義務)取扱事業者は、利用者の取引情報を不正アクセスから保護するために必要な技術的・組織的措置を講じなければならない。万一、情報漏洩その他のセキュリティ事案が発生した場合、事業者は事案発覚から七十二時間以内に監督当局へ報告するとともに、当該利用者に対して速やかに通知する義務を負う。
第三条(違反時の措置)本規定に違反した事業者に対しては、監督当局は業務改善命令を発出し、情状が著しく重大と認められるときは、登録の取消しを含む行政処分を余儀なくされる場合がある。なお、軽微な手続き上の違反については、初回に限り是正勧告をもって処分に代えることができる。
デジタル通貨実証実験参加申請書(申請書)
申請者は、下記の事項を誠実に記載のうえ、所定の期日までに監督当局宛に提出するものとする。申請内容に虚偽が認められた場合、参加資格の剥奪のみならず、関連法令に基づく制裁措置の対象となり得ることを申請者は十分に認識しなければならない。
【参加目的および技術的要件】申請者は、CBDCの流通実験に参加するにあたり、当該システムとの接続に必要な技術的仕様を満たしていることを証明する書類を添付しなければならない。なお、既存の決済インフラとの互換性が担保されない場合、監督当局は参加を認めないことがある。
【リスク管理方針】申請者は、実証実験期間中に生じ得る技術的障害・流動性リスク・サイバー攻撃等に対する対応方針を具体的に記載し、これを実施するための組織体制を明示すること。キャッシュレス化の進展が国民生活の利便性を高めるという議論は広く支持されているものの、デジタル格差の拡大や国家による取引監視の強化といった問題は看過し得ず、申請者はこれらのリスクを踏まえた対策を講じることを求められる。参加承認後に方針の重大な変更が生じた場合、申請者は速やかに監督当局に報告し、改めて承認を得なければならない。