N1· 短文 · 約 400字
本文
長い人生を振り返ってみると、世の中というものは、幾度となく疫病の波に翻弄されてきたことがわかる。しかし近年のパンデミックほど、国家間の利害対立が露骨に浮き彫りになった危機もなかったように思われてならない。ワクチンという命綱をめぐって富裕国が囲い込みに走る一方、貧困国の人々が手をこまねいて死を待たざるを得ない状況は、国際保健の理念とはおよそかけ離れたものであった。情報の共有においても然りで、初動段階での隠蔽や遅延が被害を拡大させたことは、もはや否定しようのない事実である。翻って考えれば、真の意味での国際連携とは、自国の利益を優先しつつも相互扶助の精神を手放さないという、一見矛盾するかのような均衡の上に成り立つものではなかろうか。国際的な規範の枠組みを形骸化させることなく実効性あるものへと鍛え直すことこそ、次なる危機に備える唯一の道であると、老いた身ながら確信している。
問題 1
Q1.
この文章において、筆者が最も核心的な問題として指摘していることはどれか。
①国際社会が自国利益と相互扶助の均衡を保てず、国際的規範が形骸化したまま放置されていること。
②各国政府が初動段階で情報を隠蔽したことにより、感染拡大を食い止める機会を逃したこと。
③パンデミック時に富裕国がワクチンを独占し、貧困国との間に著しい不平等が生じたこと。
④国際保健機関の権限が不十分であるため、加盟国に対して実効的な勧告ができないこと。
AI 보조로 작성하고 JLPT 레벨·문제 형식을 검수해 공개한 학습용 독해 지문입니다. · 2026년 10월 22일 공개 · 제작 방식 →