「ねえ、もう寝なよ。明日も早いんだから。」妻はそう言いながら、リビングの電気を消した。「うん、すぐ行く。」私はそう答えたが、その夜、なかなか眠れなかった。子どもが「パパはいつも忙しいね」と言った言葉が、頭の中でずっと繰くり返されていた。気がつくと、外に出て夜道を歩いていた。空には丸い月が出ていて、あたりはとても静かだった。仕事と家族、どちらも大切にしたいと思っていた。でも、本当にそうできているのか、自分でもわからなかった。月の光の中で、私はしばらく一人で立っていた。